映画【サイトレス】あらすじとネタバレ解説。【リバーデイル】(2017)でシェリル役を演じたマンデリン・ペッチ主演作。ある日何者かに襲われ視力を失ってしまった有名ヴァイオリニストのエレン。エレンは新しい住居で介護士の援助を受けながら新たな生活に慣れようと努力していくものの、徐々にこの生活に”違和感”を感じ始め……⁉︎
【サイトレス】あらすじ
エレン(マデライン・ペッチ)は、CDを出してコンサートも行うほど名の知れたヴァイオリニスト。
ある日、コンサートを終えた帰り道、エレンは突然ガスマスクをつけた人物に襲われ、顔面にスプレーを噴射されてしまいます。
病院で目を覚ましたエレンは、吹きかけられたスプレーの薬品によって視力を失ったことを知らされ絶望します。
その後、事情を聞いた弟から、帰国するまでの間エレンの世話をする介護士と、介護用の仮住まいを用意したと連絡がありました。
翌朝、エレンは見知らぬ家で目を覚まします。
クレイトン(アレクサンダー・コック)という介護士に家の中を案内されたエレンは、窓から外の音が聞こえないのはなぜかと聞いてみます。
するとクレイトンは、防音窓だから外の音は聞こえないと説明。
一通りの説明を終えたクレイトンは、優秀な介護士である自分を頼ってほしいことと毎日11:00〜14:00まで来ることを伝え、この日は帰っていきました。
その後、エレンは目が見えない生活に順応できず苛立ちクレイトンに強く当たっていましたが、手を尽くしてくれる彼に少しずつ気を許していきます。
そんなある日の夜、隣の部屋から男女の言い争う声を聞いたエレンは、女性を救うべく1枚のメモを隣の部屋の入り口に残します。
翌日、隣人の女性ラナ(ディセンバー・エンスミンガー)が、「メモを見た」とエレンの部屋を訪ねてきました。
ラナから「目をなくした時は痛かったか」と尋ねられたエレンは、初対面である彼女が自分は生まれつきの盲目ではなく、視力を失ったことを知っているかのような口ぶりに動揺します。
エレンがラナを問い詰めると、彼女は動揺して話を逸らそうとしましたが、その直後に震えながら泣き出してしまいました。
エレンはラナを落ち着かせようと、そっと彼女の頬に触れます。
ラナの頬には大きな傷がありました。
すると、ラナは「誰も信じるな」と言い残してその場を後にしたのです。
エレンはラナの異常な様子に加えて、親友や弟と連絡のつかない状況など、次第に周囲の状況に違和感を感じ始めました。
盲目のエレンを取り巻く衝撃の展開とは……⁉︎
【サイトレス】キャスト情報
エレン役/マデライン・ペッチ
キャラクター紹介
突然何者かに襲われて視力を失った元有名ヴァイオリニストの女性。
視力を失って以来、何に対しても消極的な性格に変わってしまいました。
俳優紹介
名前:マデライン・ペッチ
生年月日:1994年8月18日
身長:167cm
代表作:【リバーデイル】(2017)、【ポラロイド】(2019)
- 【リバーデイル】(2017)でシェリル役を演じたことで、一躍有名に
- 両親は南アフリカ出身で、10歳まではアメリカと南アフリカを行き来していた
- 言葉に南アフリカのアクセントがあり、赤毛だったことからいじめられていたことも
- 3歳からダンス、5歳から演技を学び始め、高校卒業後はロサンゼルスに移住して本格的に活動を開始
マデライン・ペッチはデビューは2015年とまだ芸歴がとても浅いですが、【リバーデイル】(2017)でブレイクを果たしました。
【リバーデイル】(2017)でシェリルの恋人トニを演じるヴァネッサ・モーガンとはプライベートでも大親友で、互いのインスタグラムで仲の良さを伺えます。
2017年からラッパーのトラヴィス・ミルズと交際していましたが、2020年に破局しています。
自身のYouTubeチャンネルは登録者は600万人を超えており、これからが期待される俳優のひとりです。
クレイトン役/アレクサンダー・コック
キャラクター紹介
エレンの介護士としてやって来た青年。
数々の障がい者の介護など、経験豊富な介護士です。
俳優紹介
名前:アレクサンダー・コック
生年月日:1988年2月24日
身長:188cm
代表作:【アンダー・ザ・ドーム】(2013)、【サイトレス】(2020)
- ドイツ系やイタリア系の血を引いており、2人の姉がいる
- 検察官の父が法廷で厳しく容疑者を問い詰める姿を見て、芝居のようだと憧れを抱き役者を目指すように
- 【アンダー・ザ・ドーム】でレギュラーを獲得し、一躍脚光を浴びるように
ラナ役/ディセンバー・エンスミンガー
キャラクター紹介
エレンが新しく暮らす家の隣人の女性。
顔に大きな傷があり、いつも何かに怯えている様子。
俳優紹介
名前:ディセンバー・エンスミンガー
身長:157cm
代表作:【TRUE DETECTIVE】(2014)、【サイトレス】(2020)
- アーカンソー州出身
- 2017年からロサンゼルスにて本格的に活動を始める
【サイトレス】解説
映し出されるものが”本物”かはわからない
【サイトレス】(2020)では、エレンが盲目であることから、映画で映されているものが本物かはわからないという描き方をしています。
クレイトンがエレンに黄色のインコをプレゼントしたシーンでは、クレイトンから「何色だと思う?」と尋ねられたエレンが”ベビーブルー”と答えると、インコの色がブルーに変わりました。
この表現こそが【サイトレス】(2020)の真骨頂で、本作の中で登場する人物や物は全て盲目のエレンの想像であることがわかります。
盲目のエレンには相手の顔も周囲の物もわからないため、クレイトンの顔も家の内装も全てはエレンが想像したものに過ぎず、決して本来の姿はわからないのです。
散りばめられた伏線
所々に違和感を感じさせながらも、最後まで展開が読めない映画【サイトレス】(2020)。
エレンがベランダから飛び降りるという衝撃のシーンから始まった時点で、重そうなストーリーだと身構えそうになるも、終盤でその謎が解けた時には一本取られたと感じるはず。
【サイトレス】(2020)には、クレイトンの話やエレンの家の異変、隣人ラナの様子など、あちらこちらに小さな伏線が隠されています。
これらは全て伏線となっており、ラストで点と点が繋がった時は爽快感が得られると思いますので、是非その辺りも注目してみてください。
【サイトレス】感想
どんな理由にせよ、突然視力を奪われたエレンの生活が180度変わるのは苦痛でしかないだろうと感じました。
それでも再び前向きに生きようと思った矢先、彼女を待ち受けていた現実はあまりにも衝撃的で憤りさえ覚えました。
エレンの仮住まいの家を舞台に主な登場人物3人で構成されている作品ですが、そのストーリーに引き込まれ飽きを感じさせないのが印象的です。
主人公エレンを演じるのは、【リバーデイル】(2017)のシェリル役で一躍有名になったマンデリン・ペッチ。
少し意地悪でお嬢様キャラの【リバーデイル】(2017)とは違い、視力を失った繊細な女性を見事に演じきったマンデリン・ペッチの、演技の幅広さを垣間見ることができました。
グロテスクなシーンはないので、そういうものが苦手な方や短めのスリラー映画を観たい方にもおすすめです!
@MarVistaEnt
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