【ELI/イーライ】ネタバレと徹底解説(考察)。防護服で過ごす少年の壮絶な戦い。

映画【ELI/イーライ】ネタバレ解説(考察)。イーライは重度の自己免疫疾患を抱える11歳の男の子。ほこりや空気など全てのものにアレルギー反応を起こすため部屋に設置された無菌テントから出ることもできません。そこで両親はイーライの病気を治すため、家族揃って隔離病院に入所することに。しかし、その病院は少し様子がおかしく……。さらにイーライの衝撃の事実が明らかとなる!

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【ELI/イーライ】あらすじ

イーライ(チャーリー・ショットウェル)は、重度の自己免疫疾患を抱える11歳の男の子。

外出はおろか空気や水にまでアレルギー反応を起こすことから、部屋に設置された”無菌テント”の中で過ごす生活を送っていました。

そんなイーライの病気を治す術はなく、最後の頼みの綱として父ポール(マックス・マーティーニ)が見つけた、自己免疫疾患の治療実績がある隔離病院へ家族揃って入所することに。

イーライは、無菌テント以外では防護服を着て過ごしてきましたが、非常に清潔に保たれた病院内では防護服なしでもショック症状が出ないことに大喜び。

さらに、濾過された水のおかげで久しぶりにシャワーを浴びたり、母ローズとテント越しではなく触れ合うことができるなど、これまでの生活より格段と自由に動けることに感動していました。

しかしその喜びも長くは続かず、イーライを待ち受けていたのは辛い治療でした。

あまりの治療の辛さから弱音を吐くイーライを優しく励ます母ローズ(ケリー・ライリー)に対し、父ポールは厳しく非難します。

両親共に自分のことを思ってのことだとわかったイーライは再び治療に取り組みますが、次第にこの病院の違和感を感じ始めます。

イーライを取り巻く謎の現象やメッセージ、突然現れた謎の少女……。

それらが示す意味とは一体⁉︎

そして不治の病とされてきたイーライの病気の真実が明らかとなる!

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【ELI/イーライ】ネタバレと解説(考察)

”ELI”に隠された意味

※この先は物語の結末に触れる完全ネタバレとなるので、未視聴の方はご注意ください。

イーライの名前のスペルである”ELI”。

この言葉に本作の全てが詰まっていると言っても過言ではないでしょう。

イーライが何者かに襲われクローゼットに逃げ込んだ際にも、翌朝クローゼットの扉を見ると”LIE”という言葉がたくさん書かれていました。

一見するとELIELIELI……とイーライの名前を羅列しているようにも見えましたが、ELIにEを付け加えると”LIE(嘘)”という単語が出来上がります。

これに気付いたイーライは、この病院が嘘をついているのではないかと疑惑の目を向けるきっかけとなりました。

これを機に、様々なシーンで”嘘(LIE)”が強調されるようになっていきます。

さらに”LIE”という言葉に隠されていたのが、病院の準備室の暗証番号。

これはイーライが窓に息を吹きかけた際に浮かび上がってきた言葉”LIE”、これを逆さから見ると数字の”317”になります。

この手法は【シャイニング】(1980)で使われた有名なもので(”REDEUM”→”MURDER”)、監督がリスペクトして作ったのではないかと囁かれている。

これらの意味に全て自力で辿り着いているイーライの聡明さを窺い知ることができる点でもあります。

モーテルの看板に書かれた電話番号と言葉の意味

隔離病院へ向かったイーライたちは、長い道のりの途中でモーテルに宿泊しますが、実はそのモーテルの看板に本作のヒントが描かれているのです。

ナイチンゲールモーテルという書かれたモーテルの看板の上に掲げられた大きな看板。

そこには箴言19:9と旧約聖書の引用が書かれ、その下には電話番号が書かれています。

箴言とは旧約聖書の1つであり、看板にはその中でも新アメリカ標準訳聖書19:9のものが書かれている。

看板に書かれた旧約聖書の引用(A false witness will not go unpunished, And he who tells lies will perish)を訳すと、”偽りの証人は罰せられず、嘘をつく者は滅びます”となります。

この言葉こそがイーライに嘘をついている者がいて、それらは罰せられることを示唆しているのです。

そして、看板に書かれた電話番号(335)ー173ーTRUTH。

これは173を逆さから読むと”ELI”になり、それに続くTRUTHは”真実”という意味を持つことで、本作はイーライが真実に迫る物語であることを暗示しています。

母を罰さなかった理由

ついに自らの病気について真実を知ったイーライは、嘘をついて騙してきた者たちを決して許しませんでした。

イーライを騙していたのは、病気は治せると言った病院の先生や看護師、さらにはそんな彼女らに加担していた父ポール。

ここで、先程紹介したモーテルの看板にあった旧約聖書の引用が意味していたことが明らかとなります。

偽りの証人は罰せられず、嘘をつく者は滅びます。

まさにこの言葉通り、嘘(偽り)をついた者はイーライから罰を受けました。

ところが、唯一の例外だったのが母ローズ。

ローズも他の人たちと同様に、イーライに不治の病であると嘘をついていたのにも関わらず罰を受けなかったのは、イーライへの愛情や彼を救いたいという想いには嘘偽りがなかったからでしょう。

それを象徴するのが、パニックを起こしたローズにイーライがかけたおまじないの言葉。

この言葉はイーライが発作を起こした際や辛い時などに、いつもローズがかけてくれていたおまじないの言葉だった。

嘘をつかれていたローズにその言葉をかけたのはイーライなりの愛情表現であり、そのおまじないの言葉こそが嘘偽りのない愛情表現だったことが見て取れます。

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【ELI/イーライ】の感想

自己免疫障害により外出時には防護服を着なければならないイーライは、あまりにも制限された生活を余儀なくされた少年でした。

そんな彼にこれから何が待ち受けるのか?と、終始ワクワクしながら観ていられました。

ラストは衝撃の展開となり、最後までその展開には気が付きませんでした。

約1時間半程度でサクッと観られるので、短めのホラー映画をお探しの方に是非おすすめしたい作品です!

なお、一部グロテスクなシーンがあるので視聴の際にはご注意ください。

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