ヴューダ・ネグラ:黒蜘蛛の企み(Netflix)キャスト・あらすじ・事件解説。2017年にスペインのバレンシアで実際に起きたエンジニアの男性殺害事件に基づくサスペンス映画です。自宅のガレージで遺体となって発見された男性、疑いの目が向けられたのは男性の妻とその恋人でした。一見すると完璧に見えた妻には衝撃の裏の顔があり……。
作品情報
- 2025年/スペイン
- 原題:La viuda negra
- 配信:Netflix
- リリース:2025年5月30日
- オフィシャルサイト
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スタッフ
キャスト
あらすじ

2017年8月、スペインのバレンジアの駐車場で1人の男性が遺体となって発見されます。遺体は7回も刺されており、痴情のもつれによる犯行とみられました。
すぐさまベテラン警部率いるバレンシア市殺人課は、時間との戦いの中で捜査を開始します。しかし、警察が辿り着いた容疑者は誰もが予想していない人物でした。
それは、被害者と結婚してまだ1年も経っていない優しく穏やかな若い未亡人マヘ(イバナ・バケロ)だったのです。
登場人物/キャスト
マヘ役/イバナ・バケロ

演:イバナ・バケロ
若くて魅力的な看護師。夫との生活に対する不満から、複数の愛人を持っています。夫を亡くして未亡人となり悲しみに暮れる一方、複数の愛人との関係を絶やすことはありませんでした。
サルバ役/トリスタン・ウヨア

マヘの愛人の1人で、彼女と同じ病院で看護師として働いています。すっかりマヘの虜になっているサルバは、完全に彼女の言いなりです。
トレス役/カルメン・マチ

演:カルメン・マチ
国家警察。マヘの夫アルトゥーロ殺害事件を担当するベテラン警察官です。冷静沈着な捜査で真相解明に繋げていきます。
アルトゥーロ役/アレックス・ガデア
マヘの夫。
「トイ・ボーイ」「モロッコ:愛と戦争の記憶」「ノー・トーレス」
- ダニエル役/ジョエル・サンチェス
- ベルナルド役/ぺぺ・オシオ
- トゥリエンテス役/パブロ・モリネーロ
- イレネ役/アンパロ・フェルナンデス
- ハビエル・ヒル役/Ramón Ródenas
- パウ・デュラ
- ペドロ・カサブランク
- ホエル・サンチェス
実際の事件と妻について
実際の事件と判決

「ヴューダ・ネグラ:黒蜘蛛の企み」は、2017年8月16日にスペインのバレンジアで実際に起きた、アントニオ・ナヴァッロ殺人事件に基づくサスペンス映画です。
2017年8月16日、スペイン・バレンシアのパトライス地区。カラモチャ通り18番の自宅ガレージにて、アントニオ・ナヴァッロの遺体がうつ伏せの状態で発見されます。
強盗の可能性を除外した警察は、被害者の周辺を重点的に捜査しました。バレンシア国家警察殺人グループの捜査官は、犯人が駐車場で被害者を待ち構えていたと考えます。
そこで警察は、被害者の妻で看護師のマリア・ヘスス・モレノ・カントー(マヘ)と、彼女の仕事仲間のサルバドール・ロドリゴ・ラピエドラ(サルバ)の電話を傍受しました。この時の2人の会話が決め手となり、2018年1月12日にマヘとサルバは殺人容疑で逮捕されました。
2020年8月28日、サルバはマヘの同意を得て彼女の夫を殺害したことを告白します。サルバによれば、マヘは夫からの心理的・肉体的虐待を仄めかしながら関係がうまくいっていないと断言し、夫を殺害すれば遺産を手にして彼と縁が切れると話したとのこと。
2022年10月30日、アントニオ・ナヴァッロ殺害の罪でマヘに懲役22年、サルバに懲役17年の判決が下されました。サルバは控訴したものの、2022年1月に最高裁はこの有罪判決を支持しました。
被害者の妻マヘ について
被害者の妻マヘは自由奔放で、特に異性との付き合いが派手でした。夫と結婚している間に少なくとも3人の男性と関係を持ち、刑務所に収監されてからも複数の囚人と関係を持っています。
ただ、マヘが結婚している間に付き合っていた恋人たちは、互いに自分以外の恋人の存在を知らなかったようで、マヘの立ち回りの上手さが見て取れます。サルバ以外の恋人たちはマヘから夫の殺害を依頼されると去っていきましたが、サルバだけは違いました。
既婚者で娘もいるサルバはマヘの甘い言葉に乗せられ、完全に彼女の言いなりになってしまいました。とはいえ、これはサルバが乗せられやすかったのではなく、マヘの人格が特異だったのかもしれません。
それというのも、マヘとサルバの関係を分析した心理学者カーメン・コラッツィーニは、マヘの人格にはダークトライアドと呼ばれる精神病質の3つのパーソナリティ特性が見られるというのです。このトライアングルを持つと、犯罪を犯すか、少なくとも法を犯す可能性が高くなるとのこと。
また、マヘがサルバを利用したのは、彼が操りやすい人間だとわかっていたからだと指摘します。マヘは過去に自分の欲望を満たすために男性を説得した経験があり、今回も夫の排除という自らの欲望のために犯罪とは無縁のサルバを利用して目的を果たしたのでしょう。
マヘは刑務所に収監されても行動を改めるどころか複数の囚人と関係を持ち、その内の1人との間に子どもをもうけています。その受刑者は殺人罪で懲役15年を宣告された男性で、マヘは2023年7月に刑務所内で息子を出産しました。
息子の父親の受刑者はすでに刑期を終えて出所していますが、2023年9月にマヘとの関係を解消しています。
一方、マヘは生後3年間は息子と一緒に過ごすことのできる母子ユニットに2026年まではいられますが、2022年に懲役22年を言い渡されたばかりなので、刑務所での生活はまだまだ続きます。
受刑者は刑期の4分の3を終えた後に仮釈放を申請できるものの、マヘの場合は2037年4月頃とそれもまだ先です。
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