Netflix発フランス映画【オキシジェン】。ある女性が目を覚ますとそこは密閉されたポッドの中で、様々なモニターやチューブが繋がれていました。そんな彼女は自分の名前すら覚えておらず、唯一頼れるのはAIだけ。残り酸素は30%ほどしかなく、みるみるうちに酸素が減っていく中で彼女は生き抜く手段を見つけなくてはならないのです。
【オキシジェン】あらすじ
ある女性は赤い光が点滅する暗い空間で、全身をメッシュのようなもので覆われて身動きが取れない状況で目を覚ましました。
女性はメッシュを指で引きちぎって上半身の自由を確保し、自分の身に何が起きているのかを確認します。
するとその時、灯が点灯して初めて周囲の環境を把握することができるようになります。
そこは人ひとりがやっと寝られるくらいのスペースしかないポッドの中で、自分の腹部には太いチューブと手足には点滴が繋がれていました。
女性が状況を理解できずに困惑していると、医療インターフェースの”ミロ”(マチュー・アマルリック)が「残り酸素が35%、生存していられる時間は40分程度」と話し始めます。
ミロはポッドに搭載されたAIで、彼女の健康状態を常に監視しており、ポッドの中には彼女の心拍数や血圧などのモニターが搭載されていました。
彼女は、何とかして外に出ようとしたものの出られず、記憶も無かったため頼れるのはAIのミロのみでした。
そこで彼女はミロを活用してDNAから自分の正体を調べ、自分が”エリザベット・ハンセン博士”(メラニー・ロラン)であること、レオ・ファーガソン(マリック・ジディ)という夫がいることなど、断片的な記憶を取り戻し、外部(警察と夫)に連絡することができるようになりました。
しかし、警察の不審な態度や、レオに掛けたはずの電話に高齢の女性が出て、電話を切られるなど意味深な状況が続いたのです。
*
ポッドの酸素は減り続けてついには20%を切るも、相変わらず脱出方法を見出せないストレスから幻覚が見え始めるようになっていたエリザベット。
そのせいで疑心暗鬼に陥るエリザベットの元に、レオの番号から着信がありました。
電話を掛けてきたのは先ほどの高齢女性でした。
彼女は、「エリザベットを助けるため協力する」と言い、ポッドの状況を確認していきます。
エリザベットが彼女の言う通りにシステムの設定を変更していくと、エリザベットの体や装置が宙に浮いて無重力空間となります。
そしてエリザベットがいるのは地球ではなく宇宙空間であること、エリザベットは任務のためにやって来たことを明かしたのです。
エリザベットは色々聞きたいと思っていましたが、女性は何者かに連れ去られそうになっており、「助かる方法は全てあなたが知っている、レオを探して」と言い電話は切れてしまいました。
ポッドの残り酸素は13%、エリザベットは残された僅かの時間の中で記憶を取り戻すことができるのか……⁉︎
【オキシジェン】キャスト情報
エリザベット・ハンセン役/メラニー・ロラン
キャラクター紹介
極低温ポッドで目を覚ました記憶喪失の女性。
ポッドに搭載された医療インターフェースAIのミロを使って調べた結果、エリザベット・ハンセン博士という女性とDNAが一致しました。
レオという夫がいることは思い出したものの、詳細な記憶までは思い出せず、断片的な記憶を少しずつ取り戻しています。
俳優紹介
名前:メラニー・ロラン
生年月日:1983年2月21日
身長:157cm
代表作:【イングロリアス・バスターズ】(2009)、【オーケストラ!】(2010)
- 父は声優のピエール・ロラン、母はバレリーナ
- 16歳でジェラール・ドパルデュー見出されて女優デビュー
- 【マイ・ファミリー】(2006)で主演を演じ、セザール賞の有望若手女優賞と、リュミエール賞の新人女優賞を受賞
- 映画監督としても活動している
- 2013年に結婚、長男レオを授かる
ミロ役/マチュー・アマルリック
キャラクター紹介
エリザベットのいる極低温ポッドに搭載された医療インターフェースAI。
ミロは様々な医療ニーズに応えるためのものであり、ポッド内のエリザベットの心拍数や血圧など全ての健康状態をモニターしています。
予め組み込まれたシステムで稼働しているため、融通の効かない一面も。
俳優紹介
名前:マチュー・アマルリック
生年月日:1965年10月25日
身長:168cm
代表作:【007 慰めの報酬】(2009)、【グランド・ブタペスト・ホテル】(2014)
- 父は仏紙”ル・モンド”の記者、母は文芸批評家
- 1984年、【Les Favoris de la lune】(1984)で映画デビュー
- 【そして僕は恋をする】(1996)、【犯罪の系譜】(1996)で一躍脚光を浴びる
- 2010年、監督を務めた【さすらいの女神たち】(2010)が、第63回カンヌ国際映画祭にて監督賞と国際映画批評家連盟賞を受賞
レオ・ファーガソン役/マリック・ジディ
キャラクター紹介
エリザベットの夫で、彼女と同様の科学者。
ピアノを弾くのが趣味で、エリザベットとの子供を望んでいました。
俳優紹介
名前:マリック・ジディ
生年月日:1975年2月14日
身長:175cm
代表作:【ウェリントン将軍〜ナポレオンを倒した男〜】(2013)、【ゴーギャン タヒチ、楽園への旅】(2018)
- 父はアルジェリア人のコンピューター科学者、母はブルトン人の薬剤師
- 24歳で俳優になることを決意し、演劇学校に通う
- 1997年に俳優デビュー
エリザベット・ハンソン博士
一切記憶がないまま極低温ポットで目を覚ました女性とDNAが一致しているのは”エリザベット・ハンソン博士”という女性でした。
AIのミロが検索したエリザベットの情報によれば、彼女は科学者であり、数々の賞を受賞するほどの博士であることがわかります。
エリザベットに関しての情報の中には1000件を超える学術論文も見つかっており、彼女が科学者として功績を残してきたことは明白です。
そんなエリザベットの情報に注目していくと、所々不思議な点を見つけることができます。
それは彼女が写った数々の写真の中や、彼女に関する記事の載った雑誌の写真などにあり、これらの情報が後のエリザベットの正体に繋がっているのです。
ところで、そんな彼女がなぜ極低温ポッドにいるのか。
レオの番号からかけてきた高齢の女性曰く、エリザベットは任務で極低温ポッドに入ったとのことですが、功績を残すほどに優秀なエリザベットが自ら携わった任務ともあれば必ず相応な理由があるはずです。
生物科学者であるエリザベットが宇宙空間で行わなければならない任務とは一体何なのか、そこには衝撃の真実が隠されているのです。
限りある酸素の中でも光るエリザベットの強さ
目を覚ますと、意味のわからないポッドの中で、自分の名前すら記憶がないだなんて考えただけで恐ろしくなるシチュエーションから始まる【オキシジェン】(2021)。
酸素にも限りがある状況ともあって、常に死の恐怖を感じながら脱出方法を考えなければならず、常人にはとても生き抜けそうにないハードモードに絶望を覚えます。
そんな中でも、時に幻覚を見ながらも決して正気を失わずにいられるエリザベットはとにかく逞しい限りでした。
それにはエリザベットの元々の頭脳の高さも関係しているのでしょうが、それよりも科学者としてのプライドがあったのかもしれません。
ストーリーが進むにつれて徐々にエリザベットの置かれた状況が明かされていくものの、最後までどうなるかがわからないため、ワンシチュエーション映画によくあるマンネリ化を感じることもありませんでした。
また、エリザベットを演じるメラニー・ロランの演技力の高さが光り、とても迫力のある演技はまるで自分が体験しているかのような臨場感を覚えました。
死の恐怖との闘い、助かるための記憶を辿れ!
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