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日常で使ってみたい”気の利いた”セリフがある映画(洋画)5選。

いい映画というのは、ストーリーはもちろんですが、俳優の語るセリフも印象に残るものが多いです。セリフには、映画のキーとなるものや、人物の心情を述べたもの、映画が描いた時代精神を語ったものなど様々です。こういうセリフを一度でいいから自分も使ってみたいなというのは、映画好きの方なら一つや二つはあるでしょう。そこで、今回は映画のキーとなるとともに、一度はこんな気がきいたことをしゃべってみたいものだというセリフのある映画を紹介します。

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【カサブランカ】

作品解説

「カサブランカ」出典:Amazon
“We’ll always have Paris.”
「2人にはいつでもパリ(で一緒に過ごした思い出)がある。」

【カサブランカ】(1942) は、監督が【ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ】(1942) のマイケル・カーティス、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン主演による、仏領であるモロッコのカサブランコを舞台にした恋愛ドラマです。

ハンフリー・ボガード演じるリック・ブレインが経営するカサブランカの酒場に、かっての恋人であるイングリッド・バーグマン演じるイルザ・ラントが偶然にもやってきます。

イルザはポール・ヘンリード演じる抵抗運動の指導者ヴィクトル・ラズロを助けて欲しいとリックに懇願しますが、過去の苦い思いでからリックはイルザの頼みを断ります。

しかし、かってのパリの愛を確かめ合った2人は、イルザがカサブランカに残りラズロを逃がそうとするのですが、リックには別の思惑がありました、というのが大まかなストーリーです。

【カサブランカ】(1942) のセリフでは、リックのセリフ”Here’s looking at you, kid.”(君の瞳に乾杯)が有名ですが、このセリフをさりげなく言える男性というのはなかなかいないでしょうね。

ですので、今回選んだセリフはラストでリックがイルザに、夫と一緒に旅立つことを説得した後、イルザから私たちはどうなるのとのいう問いに対してリックが答えるセリフです。

このセリフを言える男性もなかなかいないとは思うのですが、ここ最近の事件で男性が別れた女性に逆恨みをするという事件を見るにつけて、かって好きだった女性を恨むより好きだった女性の思い出を大切にして生きていく方がよほど男らしいのではないのかと実感させられるようなボギーの決めセリフです。

基本情報

公開・製作国1946年アメリカ

監督マイケル・カーティス

原題:Casablancas

配給:アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ

キャストハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリード

配信[U-NEXT](PR) [Prime Video] (PR)

© 2012 Turner Entertainment Co. & Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

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【市民ケーン】

作品解説

「市民ケーン」出典:Amazon

【市民ケーン】(1966) は、オーソン・ウェルズが監督および主演の、ある大富豪の波乱万丈な一生を描いた映画で、オーソン・ウェルズ演じる新聞王ケーンは、実在の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストがモデルといわれています。

大富豪でもあり新聞王のケーンは「バラのつぼみ」という言葉を呟いて亡くなるところから映画が始まります。

この最後の言葉が何を意味するのか、それを調べるためにこれまでケーンに関わってきた人物にインタビューを試みるというのが映画の大まかなストーリーです。

「バラのつぼみ」とは何を意味するのか、というのは映画でははっきりとは語られていないのですが、その言葉を呟いた時に手にしていたのがスノードームだったことや、幼年期のケーンが雪の中をそりで遊んでいたことから、幼年期の楽しかった思い出だったのだろうかと、ラストのシーンを見た人は気づかされるように映画は終わります。

名作としても名高い【市民ケーン】(1966) ですが、当時は新聞王であるウィリアム・ランドルフ・ハーストがこの映画のことを知って激怒し、映画を上映させないよう妨害した言われています。

新聞王が激怒した理由の一つがこの「バラのつぼみ」だったということは今では良く知られています。

実は、「バラのつぼみ」という言葉は、モデルになった新聞王ハーストが愛人だったマリオン・デイヴィスの女性器に付けた愛称だったのです。

そのことをオーソン・ウェルズは知っていて、わざとその言葉を映画の中で使用することで実在の新聞王をおちょくったというのですから、オーソン・ウェルズのしたたかぶりも大したものです。

「バラのつぼみ」という言葉はなかなか詩的なイメージを喚起させますが、いざ本当の意味を知るとそのイメージがもろくも崩れ去ってしまします。

【市民ケーン】(1966) でオーソン・ウェルズが描こうとしたのも、こうしたイメージと現実のギャップというものだったのかもしれません。

基本情報

公開・製作国1966年アメリカ

監督オーソン・ウェルズ

原題:Citizen Kane

配給:RKOピクチャーズ

キャストオーソン・ウェルズジョゼフ・コットンドロシー・カミンゴア

配信[U-NEXT](PR) [Prime Video] (PR) [dTV ]

©文輝堂

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【お熱いのがお好き】

作品解説

「お熱いのがお好き」出典:Amazon
“Nobody is perfect.
「完璧な人間なんていないよ」

【お熱いのがお好き】(1959) は、監督が【七年目の浮気】(1955) のビリー・ワイルダー、トニー・カーティスやジャック・レモン、マリリン・モンローが主演のロマンチックなコメディ映画です。

たまたま殺人現場に居合わせてしまったためにギャングから追われる羽目になってしまったトニー・カーティス演じるサックス奏者のジョーと、ジャック・レモン演じるベース奏者のジェリーが、ギャングから逃れるために女装して女性だけの楽団に潜入するというストーリーです。

その後は、楽団にいる歌手でウクレレ奏者でもあるマリリン・モンロー演じるシュガーにジョーが一目ぼれするロマンスあり、狙われていたギャングがやってきてからのドタバタ劇と、最後まで見る者を飽きさせないテンポはさすがのひとことです。

冒頭のセリフは、大富豪に求婚されたジェリーが「自分は男性だ」とカツラを取ったのを見た後の大富豪のセリフですが、ビリー・ワイルダー自身もお気に入りのセリフだったようで、インタビューでもこのセリフについて語っています。

その人の性格にもよるのですが、何事も完璧にやらないと気がすまないでいると、どこかで消耗してしまいます。

そんな時に【お熱いのがお好き】(1959) を思い出すと、何も完璧にやる必要はないとか、今の自分でも別に構わないという気分になります。

落ち込んだ時や上手いこといかない時に、【お熱いのがお好き】(1959)のこのセリフは元気を与えてくれるはずです。

基本情報

公開・製作国1959年アメリカ

監督ビリー・ワイルダー

原題:Some Like It Hot

配給:ワーナー・ブラザース

キャストトニー・カーティスジャック・レモンマリリン・モンロー

配信[U-NEXT](PR) [hulu](PR)

© 1959 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved

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【イージーライダー】

作品解説

「イージー・ライダー」出典:Amazon
“But talkin’ about it and bein’ it…that’s two different things. ”
「だけどな、自由を語ることと自由でいることは違うことなんだよ」

【イージーライダー】(1970) は、監督がデニス・ホッパーによる、ヒッピーの目を通じて見たアメリカの現実を描いたニューシネマの代表作です。

冒頭のセリフは、ワイアット演じるピーター・フォンダと、ビリー演じるデニス・ホッパーが、留置場で知り合い意気投合したジャック・ニコルソン演じる弁護士ハンセンと、謝肉祭の行われるニューオリンズの旅を目指している途中の野宿でのビリーとハンセンによる会話の中で語られたものです。

この場面でハンセンは自由についてビリーに述べるのですが、ワイアットとビリーの2人が快く思われないのは、2人が自由だからだと持論を述べます。

そして、冒頭のセリフを述べた後に自由を語ることは問題はないのだけど、自由でいるということは世間にとって怖い存在だと続けます。

ここに、アメリカが自由の国と呼ばれる一方で、暴力の影がちらついているという二つの側面を言い表しています。

自由の女神に象徴されるように、アメリカといえば自由の国というイメージがありますが、そのイメージとは矛盾するように暴力というのがカードの表と裏のように対になっています。

ハンセンのセリフからは、自由を語っているうちは寛大であるけれども、いざ自由を勝ち取ろうとすると途端に牙を向ける国としてのアメリカを表現しているともいえます。

【イージーライダー】(1970)でも、ハンセンの言葉がまるで予言であるかのように、自由を語るだけでなく、自由でありたいと思う三人は悲劇的な結末を迎えます。

自由であることを求めながら、自由であることに対しては寛容ではない国という矛盾するアメリカの現実が【イージーライダー】(1970)では描かれ、50年経った今も変わらないというところにこの映画を見る価値があるのではないでしょうか。

基本情報

公開・製作国1970年アメリカ

監督デニス・ホッパー

原題:Easy Rider

配給:コロンビア映画

キャストピーター・フォンダデニス・ホッパージャック・ニコルソン

配信[Prime Video] (PR) [Netflix]

©Sony Pictures Entertainment (Japan) inc.

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【ホテル・ニューハンプシャー】

作品解説

「ホテル・ニューハンプシャー」出典:Amazon
“Keep passing the open windows. ”
「開いた窓はやり過ごすように(それが生き続けることなんだ)」

【ホテル・ニューハンプシャー】(1986) は、監督が【トム・ジョーンズの華麗な冒険】(1964) のトニー・リチャードソンで、ジョン・アーヴィングの同名小説を映画化したものです。

ホテル経営を夢見るボー・ブリッジス演じる父親のウィン・ベリーと、その家族の3つのホテルを巡る物語が、ロブ・ロウ演じる次男のジョン・ベリーの視点から語られていきます。

また、長女のフラニー・ベリーをジョディ・フォスターが、ウィーンのホテルでフロイトとともに暮らしていたスージー・ザ・ベアをナスターシャ・キンスキーが演じています。

冒頭のセリフは、ウィン・ベリーがかってホテルでアルバイトしていた時に知り合ったフロイトから聞いた話の中に出てくるセリフです。

人生に疲れたピエロがふと上を見上げると建物の上の方に開いている窓があり、ピエロはそこから飛び降りて死んでしまうのですが、その話の中の締めくくりとして冒頭のセリフが語られます。

寓話ぐうわ的なセリフではありますが、これはたとえ困難なことに遭遇したとしても、開いた窓という人生の落とし穴をやり過ごすことができれば、なんとかやっていくことができるという意味でしょう。

そして、このセリフは【ホテル・ニューハンプシャー】(1986) で様々な困難に襲われても、くじけることなく前を向いていくベリー一家の生き方にも繋がっているようです。

生きるということは、楽しいことがある反面、開いた窓を見て飛び降りたくなるほど辛いこともあります。

しかし、その時に開いた窓をやり過ごすたびに、やり過ごした人間は強くなって前を向いていくことができるのではないでしょうか。

基本情報

公開・製作国1986年アメリカ

監督トニー・リチャードソン

原題:The Hotel New Hampshire

配給: オライオン・ピクチャーズ

キャストジョディ・フォスターロブ・ロウナスターシャ・キンスキー

配信[U-NEXT](PR)

© MCMLXXIV ORION PICTURES CORP.