【赤毛のアン】あらすじと感想。
カナダのプリンス・エドワード島の素晴らしい景色を舞台に、想像力豊かなアンが周囲の人々に愛されながら成長していく姿を描いた不朽の名作が30年ぶりに実写化されました。
3部作で構成されている【赤毛のアン】の第1部のあらすじと感想をお伝えします。
【赤毛のアン】あらすじ
1部では、アンがマシュウとマリラの元へやってきて、正式に養子にしてもらうところまでが描かれています。
カナダのプリンス・エドワード島の農場で暮らすマシュウとマリラの兄妹。
年を取ってきて男手が必要と感じた2人は、男の子を養子に迎えることにします。
しかし、やってきたのはアンというやせっぽっちの赤毛の女の子でした。
マリラはすぐに送り返そうとしましたが、アンのあまりの落ち込みように一晩だけ置いてあげることにします。
豊かな想像力で孤児院での過酷な生活を乗り切っていたアン。
アンの話を聞いて「男の子じゃないし、おしゃべりだが楽しい子だ」と感じたマシュウは、「もっとあの子を知ってはどうか?」とマリラに提案します。
マリラは、新しい引き取り先が見つかるまでという条件でマシュウの提案を受け入れました。
グリーン・ゲイブルスでの新しい生活を始めたアンは、そこで親友となるダイアナと出会います。
出会ってすぐに意気投合した2人でしたが、アンはダイアナを巻き込み次々と騒動を巻き起こしていきます。
マシュウとマリラは、アンと過ごすうちに彼女が大切な存在だと思うようになりました。
しかしついに、別れの時がやって来たのです。
【赤毛のアン】の感想
原作に忠実なストーリー
主役アンを演じているエラ・バレンタインは、原作のイメージにピッタリな女の子でした。
口下手だけれど優しさが溢れているマシュウや、少し厳しいマリラの2人の演技も素晴らしく、ダイアナ役のジュリア・ラロンドも、品の良いお嬢さまという雰囲気でとにかく可愛かったというのが印象に残ります。
後に、アンの初恋の相手となるギルバートは、今作ではあまり登場するシーンはありませんでした。
まだまだ幼さから抜け切れていない感じの彼が、2部・3部でどのように男らしく成長していくのか楽しみです。
美しい大自然
映画の魅力といえばやはり映像です。
本作は、移りゆくプリンスエドワード島の自然がとにかく美しい限り。
春の新緑の美しさはもちろん、秋には木々が黄色に変わっていく並木道や、冬には一面に広がる銀世界など、一年中どこをとっても美しいカナダの自然が見事に映し出されていました。
ギュッと詰まったストーリー
1部では、小説の前半のエピソードとなっているようです。
3部作とはいえ、1部を90分に収めるのは大変だったと思います。
アンがグリーン・ゲイブルスにやってきて、マシュウとマリラと本当の家族になっていく様々なエピソードはどれも大切な要素ですが、すべてを盛り込むことはちょっと不可能。
ひとつひとつのエピソードが短いようにも感じましたが、重要なポイントはほぼ抑えられていました。
あっさりと淡々と進んでいく気がしないのは、やはり俳優陣の演技力のすばらしさだと思います。
アンの全てを受け止めてくれるマシュウの包容力、マリラの厳しい表情の中に見え隠れするアンを想う優しさなど、彼らがどれほどアンを大切に思い始めているかが本当によく伝わってきました。
ミニ情報
製作総指揮はL.M.モンゴメリの孫
今作で製作総指揮として参加しているケイト・マクドナルド・バトラーは、原作者であるモンゴメリの孫です。
祖母の作品や遺産の保全のため、プリンス・エドワード島州政府が共同で設立した”赤毛のアン・ライセンス局”の理事会の一員として関わっています。
作品の事はもちろん、祖母の事もよく知るケイトが製作に参加していることは、この映画を製作する上での強みとなっていることは間違いないでしょう。
アイスクリームソーシャル
映画の中で、アンがマリラの大切なアメジストのブローチを川に落としてしまったと嘘をついてまでも行きたかったアイスクリームソーシャルという、教会主催のイベント(映画の中ではアンはピクニックと言っていました)。
このイベントは、主に教会や学校などが催すイベントで、アイスクリームを食べながら親睦を深めるというものです。
今ほど冷蔵庫が普及していなかった当時において、アイスクリームが食べられるとあれば、大人だってアイスクリームに釣られて参加する人も多かったと思います。
疑いが晴れてイベントに参加できることになったアン。
生まれて初めて食べた時のアンは「天に昇りそう」と表現していましたが、その天にも昇りそうなアイスクリームを食べてみたいものです。
実はプリンスエドワード島にはCOWS(カウズ)というアイスクリーム屋さんがあります。
アンが食べたものと同じかは分かりませんが、世界ベスト10アイスクリームにも選ばれたことがあるこのお店。
残念ながら、お店は島での一店舗のみ。
もし、プリンスエドワード島に訪れることがあれば、是非訪れてみてはいかがでしょうか?
アンの気持ちが分かるかもしれませんよ。
当時の国歌
アンが学校で国歌を歌っていましたが、当時はイギリス領だったため、イギリスの国旗をかざし、イギリス国歌”God Save The Queen”を歌っていました。
現在”God Save The Queen”は、イギリスとニュージーランドの国歌、またはカナダやオーストラリア等の英国連邦王国の王室歌として歌われています。
(ニュージーランドではもう一つ”God Defend New Zealand(マオリ語でAotearoa)という国歌もあります。)
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