【ストレンジ・ハウス:呪われた家の秘密】は、マルティナ・ヴィルトナー著の同名小説を原作にしたホラー映画です。オーストリアの田舎町へと越してきた家族の新居は呪いの家と呼ばれており、街の人でさえも近付こうとはしませんでした。奇妙なことが多発する呪いの家に隠された秘密とは……⁉︎
【ストレンジ・ハウス:呪われた家の秘密】あらすじ
オーストリアの田舎町に、16歳のヘンドリック(レオン・オーランディアニ)と8歳のエディー(ベンノ・ロスコフ)兄弟と、母の3人家族が越してきます。
ヘンドリックたちは父親を失ったことにより、生活費のかかる都会から田舎へと引っ越してきました。
しかし、彼らの住む新居こそ”呪いの家”と呼ばれる曰く付きの一軒家だったのです。
その家は、隣人や村の住民からも冷ややかな目線を送られるなど、まるでそれは村全体で何かを隠しているかのようでした。
それもそのはず。
ドアの前に塩で取り囲まれた部屋があったり、オーナーの私物がある”開けてはいけない部屋”があったりと、異様な雰囲気があったのです。
さらに引っ越し早々、呪いの家ではヘンドリックたちの家族写真がなくなったり、弟エディーが夢中遊行するなど奇妙なことが多発します。
エディー自身は記憶がなく何故かいつも兄ヘンドリックの部屋に訪れては、話せないはずのスロベニア語を呟きながら壁に不思議な絵を描いていました。
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ある日、母からエディーの面倒を頼まれたヘンドリックは、エディーを連れて近所の公園へとやって来ました。
するとヘンドリックは、そこで出会ったフリッツ(ラーズ・ビッターリッヒ)から呪われた家で起きた事件について知らされます。
前住人であるアマリア・ポルツマンが息子のラルフとローランドを毒殺し、その後自殺を図ったとのことでした。
ポルツマン家の事件と弟エディの夢中歩行は関係があると考えたヘンドリックは、フリッツとスロバニア語のわかるイダ(マリイ・ワイクスラー)と共に事件の真相を突き止めることに。
まずヘンドリックたちはエディーに取り憑いた霊を特定するため降霊術を行い、エディーにはポルツマン家の次男ローランドが取り憑いていることを突き止めました。
そして、ローランドの霊を通して、あの事件には真犯人がいることと、真犯人に迫るヒントが屋根裏部屋にあることを知らされます。
かつてラルフとローランドの部屋だった屋根裏部屋からは日記とフィルムが見つかり、”彼らの父が家政婦を務めていた隣人と仲が良かった”ことが判明したのです。
呪われた家で起きた事件の真相はいかに……ラルフとローランドを殺害した真犯人は衝撃の人物⁉︎
【ストレンジ・ハウス:呪われた家の秘密】解説
呪われた家で起きた事件
ヘンドリックたちの新居が呪いの家と呼ばれるようになったのには、ある事件が関係しています。
前住人であるアマリア・ポルツマンが息子2人を殺害した。
それは1980年のこと、母アマリアはキノコ狩りへ行き、息子のラルフとローランドは庭で遊んでいました。
夕食時、何も知らない2人は毒キノコ入りのスープを飲んで死亡し、その後アマリアも自殺を図りました。
事件の動機は明らかになっていないものの、アマリアは心の病を抱えていたと言われています。
こうして、ポルツマン家の住んでいた家は”呪われた家”と呼ばれるようになりました。
霊からのメッセージを解き明かせ
【ストレンジ・ハウス:呪われた家の秘密】(2021)は、呪われた家で起きた事件の真相に迫るストーリーとなっています。
そのため、呪われた家で殺害された兄弟の霊を通してヒントを集め、事件の謎を解いていきます。
呪われた家で母に殺害されたとされる兄弟ラルフとローランドは、ローランドの霊を介した発言から母は犯人ではないことが判明しました。
このようにラルフとローランドの霊がメッセージをくれますが、彼らもヒントしか与えられないため、そのヒントを基にヘンドリックたちが謎を解いていきます。
そんな謎に迫るヘンドリックとフリッツとイダのコンビネーションが最高なので、是非注目して頂きたいポイントです。
また、弟思いのヘンドリック、知識豊富でオタク気質なフリッツ、才色兼備のイダと、個性豊かな3人のやり取りには思わずクスッとさせられます。
子供も観れる謎解き映画
【ストレンジ・ハウス:呪われた家の秘密】(2020)はジャンルではホラー映画となっていますが、実際には謎解き映画のように一緒に謎解きを楽しむことができるので、家族でも楽しめる作品となっています。
エディーに取り憑いた霊を特定するための降霊術も儀式のように怖いものではなく、エディーを通して霊と対話ができるというものです。
実際にエディーが夢中遊行していたのも、呪われた家で殺害された弟ローランドの霊が彼を操っていたからでした。
このように呪われた家の兄弟の霊とは決して怖いものではなく、謎解きのヒントをくれるキーパーソンとなっています。
【ストレンジャー・シングス 未知の世界】(2016)を彷彿とさせるストーリー
主人公たちが引っ越した家は”呪いの家”だったというよくあるストーリー展開の作品ではありましたが、最後まで展開が読めず楽しむことができました。
前住人であるポルツマン家の父と隣人の関係が明らかになった時は隣人が真犯人かと思われたものの、実はそこから大どんでん返しがあり、真犯人が判明した時には衝撃を受けました。
【ストレンジ・ハウス:呪われた家に隠された秘密】は謎解き要素が強く、まるで【ストレンジャー・シングス 未知の世界】(2016)を彷彿させる内容となっています。
特に、呪われた家の真相に迫るべく子供達が降霊術を使って霊と対話したりする点はとてもユニークで面白いですし、ホラー映画でありながらもクスッとさせられるシーンが多かったのも印象的でした。
そして本作最大の見どころは、何と言ってもヘンドリックとフリッツとイダのキャラクターと、3人のコンビネーションでしょう。
中でもオタク気質のフリッツは血を見るだけで倒れてしまったり、誰にでも距離感が近かったりととても愛らしいキャラクターです。
ヘンドリックとイダは、フリッツとは温度差があるものの、そのチグハグさがさらなる面白さを生み出しています。
呪いの家で起きた事件の真犯人は誰なのか、是非 この謎解きに挑戦してみてください。
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